2016年11月7日 第26回公開シンポジウム「五感で感じるシンポジウム 新しい子どもの味覚教育とは?」の報告
「五感で感じるシンポジウム 新しい子どもの味覚教育とは?」のパネルディスカッションのパネラーとしてフードコンシャスネス研究所所長の品川教授が登壇しました。
基調講演をされたフランスのジャックピュイゼ氏と淑徳大学教授の石井教授、そして東北大学の坂井教授、文部科学省の和田氏と共に、味覚教育の重要さを討論しました。
品川教授はフードコンシャスネス研究所の所長として「自分の《味わい力》を確かめると共に、五感力や味覚力を発展させ、物の味わい方やその背景、つながりを気付くことが大切だと考えている。あらゆる世代に必要な楽しくて、美味しい体験型の《味わい教育》を実施し、食物の大切さや本来の価値を認識すると共に、生き物の命や環境を大切にする人を育てます。」といった内容で討議を行いました。
品川所長談
ピュイゼさんは面白い愉快な方です。ただ、日本側がそれを全て受け入れて良いものと解釈している危険性を感じます。何か、日本を感じません。教育論も限定的で個人的な学びの重視は同じですが、個人対応が学びの手法として限定的です。また、フランスの味覚の1週間もイベントとしての教育的価値はあります。全て許容した中で、自己判断する能力が求められます。そこに人間性の大きさや文化の奥深さを感じ取れるものがあります。フードコンシャスネス教育も受講者の感じ方を醸成し、表現力を身につける事は共通しております。ファシリテーションの重要さも共通していると思います。しかし、学習エンジンや板書理論など個別対応が出来る大人を育てる部分やアクティブラーニングの多くの手法を取り入れ、成功より成長を求めているフードコンシャスネス教育は良い教育と自画自賛しております。学び手は多くの価値観を有します。こちらの想いを伝えるのではなく、学び手の真の言葉に耳を傾け、真の言葉を発する手伝いに心掛ける。それにはみえないファシリテーションの技術が必要です。また、受講者はより好奇心と感受性が求められます。よい食べ物と悪い食べ物という解釈はフードコンシャスネス教育にはないにも特徴です。ピュイゼさんを慕う研究会の皆さんは食べ物を評価していながら、それを判断する人の評価はしないと答えてます。フードコンシャスネス教育は食べ物の良し悪しは問いません。その価値をいろいろな方向性から自覚して判断する人を育てます。その判断基準は個々の経験も重要です。しかし、日本には脈々と培われた文化や自然を観る感性が本来備わってをります。それは素晴らしい事です。それを五感と心で感じ、感動を広い視野でみつることが出来る人がいる。如何でしょうか。