今回は特別授業で山形県善寳寺、広報主任及び維那、地蔵院、住職の篠崎英治氏に「禅の食事作法」と題して講義を頂きました。
授業の内容は以下の通りです。
1.調えのワーク
2.フードコンシャスネスと禅
3.椅座禅の実践
4.僧堂飯台(映像視聴)
5.禅の食事作法の実践
東京江東区生まれの講師は12年前に出家し、山形県善寳寺の住職になられました。
今回も山形から大学にいらしてくださいました。
座禅の本質は、自分自身に立ち返ることです。調えのワークとは「学びは開くこと、和むこと、許して受け入れること」です。調うということは「調身・調息・調心」身、息、心に偏りのない状態にし、静寂に親しむことです。
偏りにない状態にし、受け取りの質を高めていくことが大事です。
体の重さを感じながら呼吸を整え、実際に椅子座禅を体験しました。
座禅をすることで「身も心も解き放って仏(大自然)に任せてみると、仏(大自然)の側から行われる。これに任せ従ってゆけば、力まずとも、悩まずとも、生死の苦を離れ、仏と成る」(道元 正法眼蔵 生死)とのことです。心身が整い、悟りをひらけます。
フードコンシャスネス教育と仏教との共通点は「気付き」を大切にしていることです。仏教とは「悟りの宗教」で「さとり」とは「気付き」を意味します。「気付き」とは「初心」を意味し、「初心」には過去はなく、いまここにしか訪れません。
今回は椅子に座りながら座禅をし、実際にお寺と同じようにお粥、醬油の実、梅干し、沢庵、ゴマ塩を用意して学生たちに食べてもらいました。
食に対し丁寧に感謝していただきます。お椀を手でもって一口食べたら、お椀と箸をおき、手を膝の上において目を閉じて30回噛みます。
食べるということは食材を成仏させる、命を成仏させる、自分に関わるご縁が成仏するようにという意味があります。
「食事をするという事は自己を習うこと」と講師が指摘したごとく、学生たちは禅の食事作法を学ぶことで、大変綺麗な姿勢で一口ずつ目を閉じて丁寧に食べ、香りと味を確り感じ、“自己を習う”“初心を見つめる”ことができたようです。