今回は特別授業で茶道講師・中澤宗寿先生に講義を頂きました。
日本の文化として育まれてきた茶の湯。テーマを決めて道具を設え、研ぎ澄まされた美意識を背景に無駄を排除したシンプルさで造形を組み立てていくものです。
そしてお点前の最後にお出しするのがお菓子です。
今回のテーマは「食に美は必要か?」で、班毎に話しあってもらいました。
結果、「食事は栄養だけではなく視覚で捉える」、「美が五感を呼び起す」、「視覚は食欲に影響を与える」、「見た目の美しさから感動を与える」等々といった意見が出ました。
今回は季節の主菓子(おもがし)が3種類-煉りきり(錦秋)、求肥(龍田川)、かるかんと栗羊羹(山路)-が用意されました。
生菓子を初めて食べるというが学生もいましたが、上品な甘さと美味しさに感動していました。
季節の情景を美しく表現するお菓子にはそれぞれ‟名“が付いています。
学生に「龍田川」を食べてもらい、自分ならどんな名を付けるか考えてもらい、発表してもらいました。
最後に、お菓子を頂いた後にも「食に美は必要か?」というテーマで再度、班でディスカッションをして発表してもらいました。
最初は食欲を掻き立てるので美は必要と思ったが、視覚から得られた情報から風景をイメージすることで心を満たすことができることを
体験できた、また情景を感じ描くことができたといった意見もありました。
‟名“を発表した3人の学生たちは、中澤先生から薄茶のお点前を頂戴しました。
人が造り出すモノへの感謝と、その本質の世界を想う心の大切さを少しでも体感できたようです。