6月30日(金)「特別総合科目Ⅸ(フードコンシャスネス論1)」(品川 明教授担当)において、先週に引き続き、一般社団法人フードコンシャスネス研究所 理事 楠野恭巳女史(2015年学習院女子大学大学院卒業)に「味覚の生理的意義」と題して講義を頂きました。
講義の内容は主に以下の項目から構成されていました。
①基本五味の確認
②基本五味の生理的意義
③味覚とは
④基本五味の閾値と生理的意義
⑤基本五味以外の味の確認(唐辛子体験)
今回は150人程の履修生に対して、アクティビティ中心の授業でした。1ℓに1%の砂糖の入った水と1ℓに0.1%のクエン酸が入った水を飲み比べて貰い、どちらが強く感じるか。どの位の量が入っているか。どうして甘味、酸味、苦味、塩味、旨味といった基本五味を感じなければならないか。気付いたことをワークシートに記入をして貰い、その後100人位の学生一人一人に感じたことを発言してもらいました。
フードコンシャスネスの考えは「正解を答える」ことが重要ではなく、答えを出そうとする「思考プロセス」に意味があります。
苦味については「毒物を見分けるため」といった意見がありましたが、酸味については「腐敗の恐れ」といった意見はありませんでした。今の若い人達は賞味期限を見て食べるか食べないかを判断する傾向にあるため、「酸味」と「腐敗」との関係はあまり明瞭ではないようです。
基本五味の閾値とその生理的意義について確認した後、辛味を体験して貰うために、鼻を摘まんで一味唐辛子を舐めて貰いました。唐辛子は味覚ではなく「痛覚」であることを確りと体感したようでした。