7月12日(金)「特別総合科目Ⅸ(フードコンシャスネス論1)」は「日本のこころと美」と題して、品川 明教授の講義でした。
(フードコンシャスネス論は(一社)フードコンシャスネス研究所からの寄付による寄付講座です。)
講座は主に以下の内容から構成されていました。
- 和食とは(自然との調和・もてなしのこころ)
- お食い初めにみるこころ
- おもてなしのこころ
- 精進料理にみるこころ(六味・五色・五法)
- 懐石料理にみるこころ
- 家庭料理にみるこころ
- お節・五節句・節分
- 六根清浄
- 季節感を盛る
和食は多様で新鮮な素材とその持ち味を尊重します。栄養バランスに優れていて、うま味を上手に活かしています。
精進料理には食するものの心得として「五観之偈」があります。
家庭料理は作り手の家族を想う心が込められています。親から子へ継承された料理は家庭独自の歴史と味を反映しています。家庭料理には生活の智慧と始末の智慧が詰まっています。
講座では、日本ならではの行事、お正月の意味、お節料理の意味も確認しました。
六根清浄とは“五感とこころで食べるフードコンシャスネス(味わい)教育”とも重なります。眼根(視覚)耳根(聴覚)鼻根(嗅覚)舌根(味覚)身根(触覚)、そして意根(意識)はフードコンシャスネス的には“こころ”と解釈できます。
和食は季節に合った調度品や器を使ったり、自然の移ろいを表現しています。そして季節の香りを大事にしています。
今回の講座では、日本の食文化が正月などの年中行事と密接に関わって育まれてきたことおよび文化を愛でることの大切さを学びました。
(まとめ 楠野恭巳)