NEWS 学習院女子大学・フードコンシャスネス論ご報告
〔 2021年7月9日 〕

2021年7月9日(金) 「特別総合科目Ⅸ(フードコンシャスネス論Ⅰ)」(品川 明教授担当)のご報告

 

(フードコンシャスネス論は(一社)フードコンシャスネス研究所からの寄付による寄付講座です。)

 

7月9日(金)「特別総合科目Ⅸ(フードコンシャスネス論Ⅰ)」(品川 明教授担当)において、

料理研究家・おいしいもの研究所代表 土井善晴氏に「料理学」と題して講義を頂きました。

 

講義の内容は主に以下の項目から構成されていました。

1.料理とは

2.食文化はどのように生まれたか

3.料理は生きる戦略

4.ケハレの考え方

5.お料理して食べること

 

食文化は根源的なもので、土地の気候風土に依存しています。人間は料理する動物です。

料理することには意味があります。料理は生き残る戦略であり、人間の創造の始まりです。

ケハレとは非日常と日常であり、生活の二面性で、これは日本人の世界観を表す言葉のひとつです。

ケハレの変化は1日の時間帯の中にもあり、ケの中にも日常の楽しみや美しさは存在しています。

和食では箸を手前に横にして置きます。これは自然と人間の結界を意味しています。

自然の神様に「頂きます」とご挨拶をして、結界をとりはらって、食物をいただきます。これは日本文化と日本人の意識を表す代表的な行為のひとつです。

料理して食べることは、料理が子供の居場所を作ります。居場所には安心、自信、勇気、責任、愛情が存在し、想像力を育みます。

人間は料理をすることから無限の経験を得ます。経験の蓄積によって予測する力、イマジネーション、ひらめきへと繋がります。

「ものよろこびする人」はちいさな変化に気付き、自然を大切にし、地球を大切にできる人です。

豊富な経験と知識を通じて料理の何たるかを熟知しておられる土井講師の講話は、まさに

食の本質を確りと認識すべきであるというフードコンシャスネスの考え方を後押ししてくれる内容でした。