(フードコンシャスネス論Ⅰは一般社団法人フードコンシャスネス研究所の寄付講座です。)
6月19日(金)「特別総合科目Ⅸ(フードコンシャスネス論Ⅰ)」(品川 明教授担当)において、中澤宗寿氏(表千家教授)に「懐石から見る心」と題して講義を頂きました。
今回もZOOMによる遠隔授業でした。
茶事の中で行われる懐石を見ることで、その中に込められた日本の心について知ることができます。
講義の内容は主に以下の項目から構成されていました。
- 茶事について
- 茶事のなかの懐石のながれ
- 時候の菓子
- 抹茶について
- 初炭について
懐石は茶事の中で行われますが、茶事の進行は茶室の掛け軸やお花の話から始まります。
本日は掛け軸に書かれている「千里同風」の話から始まり、初炭、香合、そして懐石までの流れについて解説して頂きました。
懐石の最後に出すのが菓子です。季節に合わせていろいろな意味合いをこめた菓子は、銘を聞いて耳で感じ、視覚で美しさを捉え、味は心の中へ沁みわたっていきます。
茶事は常にお客様のことを考え、洗練されかつ考え抜かれた設えや所作を通じておもてなしをする奥深い素晴らしい日本文化です。
感性を研ぎ澄まし、感謝とともにたしなみ楽しむ茶道のおもてなしの世界に、フードコンシャスネスの提唱する概念と多くの共通点があることに、受講生たちは認識を新たにしていたようです。
(まとめ 楠野 恭巳)